新型コロナウイルス感染症に対する企業の対策 ～在宅勤務導入で留意すべき従業員の健康管理について～ / リスクマネジメント最前線
東京海上日動リスクコンサルティング株式会社
リスクマネジメント最前線
新型コロナウイルス感染症に対する企業の対策
～在宅勤務導入で留意すべき従業員の健康管理について～
新型コロナウイルス感染拡大防止策として、企業における在宅勤務の実施が急激に進んでいます。
在宅勤務の導入や対象者拡大にあたり、労務管理の問題や情報システムの問題など、企業は様々な対応に追われていますが、その中で今、最優先で考えるべき課題の一つに、従業員の健康リスクの高まりが挙げられます。
在宅勤務への移行により、対象となった従業員は業務環境や生活習慣の急激な変化を体験することとなりますが、その急激な変化は心身に蓄積するストレスとなり、早期に対策しなければ心身の不調として顕在化し、仕事のパフォーマンスにも影響することが懸念されます。
そして、感染拡大が収束して通常業務に戻るころには、体力の衰えや心身の不調により、今まで通りの通勤や業務であっても支障をきたす従業員が発生することが考えられ、それも企業の新たな健康課題となると考えられます。
近年の健康経営（※）の盛り上がりにより多くの企業で従業員の健康管理を強化してきていますが、今回の新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う在宅勤務の実施により、企業の健康経営は今までと全く違う課題に直面していると言えます。
本稿では、新型コロナウイルス感染拡大により企業における健康経営が受けている影響について説明したのち、感染拡大防止策としての在宅勤務における従業員の健康管理の課題について、在宅勤務の導入期、延長期、回復期の3 フェーズに分けて考察し、それぞれのフェーズにおける対策のポイントを解説します。
（※）健康経営：従業員の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること
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